We are “What we eat”. だけじゃない
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We are “What we eat”. だけじゃない


アリス・ウォータース特別公演


先日行われたアリス・ウォータース氏の特別公演をオンラインで視聴しました。

アリス・ウォータース氏に関してはこちらから


めちゃくちゃ簡単に書くと「スローフード」を世界的に有名にした方。

公演では色々とお話しされていましたがその中でも耳に残っているのが記事タイトルにもある『We are "What we eat".』と『地球環境と健康』。

どちらも重要な考え方だと思うのと、僕個人的に思うこともあるので書きます。


We are "What we eat".

訳:私たちは私たちが食べたものでできている


食べ物と健康の関連とその重要性を感じている、調べたり学んでいる方は一度は聞いたことがあると思います。


身体の構成するものには皮膚、脂肪、筋肉、骨、内臓、脳などなどたくさんありますが全て小さな細胞で形作られています。その細胞を作るには材料が必要ですね。人間はその材料を自己生成できません。なので外から取り入れなくては生きられない。つまり「食べる」ことをしなくてはならないですし、その食べたものを原材料として作られているのが人間です。


食べたものでその人はできている、の理由です。なんとなくわかりますよね。

実際、ジャンクフードを主食にしていると肌艶が悪くなったり精神面での問題がかなり増えます。理由は糖化やホルモン分泌の乱れなど。


子どもの場合は細胞を作る方が壊す方よりも優勢なので見た目は普通、肌がボロボロなんてことは少ないです。しかし脳と腸への問題は大人以上に影響を受けるので発達障害やいわゆる問題行動が増えます。すごくピンポイントですが主食(米、パン、麺など)が大好きすぎてそればかり食べている子どもは要注意です。僕の理論と感覚によりますが。心当たりあればご注意を。

本人の生まれながらの素質や遺伝的傾向ではなく、後天的な食事による影響はかなり大きい。それ故に食事は心身の健康の三本柱の一つとされます。あと二本は運動と休養です。


食事だけで健康にはなれない


食事は重要。とても重要。だって原材料なんだし。

しかし、人間が構成するものはそれだけではありません。人間の構造は単純なようで複雑。シンプルにしてディープなのです。


『食事内容=人間性や健康』だけではないのは何となくわかると思います。


よくある例としては親がものすごく食事に気をつけているため、子どもにファストフードはダメ、市販のお菓子もダメ、お弁当は自炊のものだけ(大抵茶色い具材だらけになる)と過度な制限をしているもの。


食に気を使うことはとても良いことですが時には羽目を外すことも心身の健康、子どもの成長には大事。


ファストフードを食べるにしても仲の良いお友達と笑顔で食べるという機会は心の健康と人としての成長にとても大事。それをファストフード=悪、という二元論で全て根こそぎ削ってしまうと人としてのコミュニケーション能力低下に繋がる恐れがあります。このコミュニケーション能力は総合的な健康の一部です。特に精神面での。


だからといって毎度ファストフードは流石にアウト。大事なのは都度ケースバイケースでバランスの良い選択をすること。バランスの良い選択をするにはそれ相応の知識や経験が必要です。


知識だけでもダメですし、経験則だけで語るのもダメ。これも一つのバランスですね。中庸-moderation-が大事というのは昔っから東洋思想で言われています。


環境と健康


アウトドアガイドということを生業にして三年目。まさか自分がそんなのをやるとは思ってもいませんでした。

人の健康について様々な方向から突き詰めていくと「環境」に行き着きます。住環境、地域社会や職場関係というった社会環境、居住地域の空気の汚染度合いや緑の割合など環境という言葉はかなり広義な意味を持ちます。


その中でも自然環境、つまりは地球環境ですね。意識できない大きな規模になるので自身の健康に関連してるとは中々感じないと思いますが、昨今の夏を思い返すと感じるものはあると思います。特に40代以上の方なら昔の暑さと今の暑さが明らかに違うのが数値的にも体感的にも理解いただけると思います。


気温一つとっても、寒暖差が激しいと人の自律神経というは乱れます。その乱れから日々の健康が損なわれます。

沖縄の人が明るくおおらかで東北など寒さの厳しいエリアは寡黙、というイメージも「自然環境=人の性格」と無意識に認識しているからかもしれません。(みんながみんなではありませんが)


自然のない土の見えないコンクリートジャングルで育った人と四季をダイレクトに感じられる土地で育った人。どちらが健康に過ごせると思いますか?

答えは書くまでもないでしょう。


健康五行


食事は大事ですが、それは健康を形作る一つの要素でしかありません。

食事が多少乱れていても良き友がいたり、身体を動かすことが好きだったりするとある程度補えます。その逆も然り。

当院のウェブサイトにも載せてますが健康の要素を大別すると五つほど。運動、栄養、休養、社会、自然。これらがそれぞれを補完しあって健康が組み立てられます。


東洋思想でいう五行ですね。木・火・土・金・水。


現代社会では「○○だけすれば健康になれる!」的なキャッチコピーと製品がバズりますが、そんなことあるわけないじゃないですか。


大事なのは全て。そしてそのバランス。moderation。


そんな感じです。


※アリス氏の講演も本人の体調不良で急遽30分短くなってました。健康を語っといてそれかよ、と一人でツッコんでました。

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