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15日間で500kmランニングに挑戦した話②〜身体管理編〜



前回の記事はこちら


15日間で400kmほどを走りましたが終わってみると身体へのダメージはほぼなし。

ランナー膝(腸脛靭帯炎)や鵞足炎といったひざの痛みもないし、身体構造的にダメージの出やすい腰も問題なし。


※ここでいう身体構造は僕の場合。学生時代は腰痛持ち。解剖学的には腰椎分離辷り症、腰椎が6つあると診断されています。本来は腰へのダメージが出やすいタイプ。


筋肉痛は走り始めた数日こそ太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の内側にある内側広筋が張り、翌朝の走り始めに軽い違和感がありました。これも走り続けるうちに無くなりました。


しかし、筋緊張は期間後半、内転筋群と腹直筋下部にずっとある状態でした。

理由は着地時の衝撃吸収にとても重要かつ必ず負担がくる部位であること。

必ず負荷がかかる部分でもあるのでフォームの問題はないと考えます。


そして、内臓。

長時間の着地の振動により揺さぶられることでやや下痢気味になりました。

これに関しても理論をベースにして栄養摂取でかなり改善できました。


ここから本題。第2回目である今回は走り切るためにやったこと、やらなかったことです。

読者の普段のランニングや運動に活かしてもらえれば幸いです。

やったこと


①ランニング中の定期的なストレッチ


筋肉や関節は慢性的・持続的な負荷で損傷を受けます。有名どころでいうと「変形性ひざ関節症」。あれは質的栄養不良と日常生活動作(身体の使い方)の悪い期間が何十年と積み重なることでひざ軟骨の変形を起こすレベルにまで負荷が高まった状態です。ただの老化で起こるものではありません。


ランナー膝などランニング障害も同様に身体の使い方と局所的な負荷、その時間の掛け算で起こります。

ランニング障害=身体の使い方×局所負荷×負荷時間


今回は念には念を入れて5km~10kmおきに休憩を挟みました。 その時に以下のストレッチをしました。





○ストレッチのポイント


1:個々の筋肉を伸ばすのではなく全身を繋げている筋膜を伸ばすこと

2:身体を大きく動かすこと

3:ひざ下にクッションを置く。ひざを支点としてストレッチができるようにすること

4:呼吸を大きく行うこと


毎日ランニングをすると動作が小さくなる&前方方向への動きだけなので筋筋膜への伸長刺激が少ない。なのでストレッチの時はあえて大きく行うことで筋繊維の癒着を防ぎます。

ランナーの怪我予防には大きな動きを取り入れることが大切です。


ひざ下に置くクッションは100円ショップで売っているアウトドア用折りたたみクッションを小さく切ったもの。これがあるとないとでは雲泥の差。アスファルトの地面にひざを置いてストレッチをしようとすると接触部の痛みからリラックスしてストレッチすることができません。これでは効果が薄いのでクッションを使用します。おすすめです。



僕の場合はランニングショーツの後ろポケットに入れてます。(ランニングパックを背負う時はその中に入れます)


ストレッチ中の深呼吸もとても大事。息を止めながら行うよりも効果が高いのは当然。でも意外とできていないことが多いので意識的に行うことが大事です。

②ランニング後のストレッチ・セルフマッサージ

走り終えた後はシャワー後、以下のものを行いました。

1:足裏ゴルフボール


足裏ゴルフボールマッサージはどのスポーツ競技者でもマストでやってほしいもの。

足裏そのものが怪我をすることは余程ありませんが足裏の硬さは姿勢不良の原因となるので長期的に身体のダメージの温床となります。

足裏の重要性については著書「ハダシのチカラ」に詳しく書いています。よろしければご購読ください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BHHFFGLR



2:股関節回旋+TFLへマッサージガン


股関節の回旋は腰にダメージの出やすい方にオススメ。ランニング動作でも微細な股関節の回旋動作は起こりますが筋肉が大きくストレッチされるほどは動かない。これを放置するとランニングフォームが小さくなる、筋肉のコリができてしまう、結果怪我に繋がるのでじっくりと行いました。

本来はランニング中にもやりたかったんですが座らないとできないストレッチ。やる場所がなかったので省略しました。

ついでに大腿筋膜張筋(腸脛靭帯の根本)をマッサージガンでマッサージ。一石二鳥。

3:ピジョンストレッチ


ピジョンストレッチは特に股関節深部筋を伸ばす目的。ランニング動作で行わない姿勢をあえてすることが効果的なストレッチになります。これは他のスポーツでも一緒。

4:ヒラメ筋マッサージボール&ストレッチ



着地の時に必ず衝撃を受けるヒラメ筋も硬くなりやすい。ふくらはぎの筋肉2つのうち、インナーマッスルとして機能するヒラメ筋は硬くなると筋膜の接続上、身体の背面への負担が増えます。(下のイラストの筋膜)

また足裏との接続から硬くなると足首の柔軟性の低下(背屈可動域の低下)につながるため柔軟性を維持することが重要。


5:ハムストリングマッサージボール&ストレッチ


ハムストリングも同様。

ちなみにケアの基本順序は①マッサージ→②ストレッチ

マッサージの直接刺激で筋繊維の癒着を剥がして、ストレッチで均一に伸ばす。できる部位はこのやり方が良いです。無理な部位はストレッチだけでももちろんOK。


☆ケアの基本順序

マッサージ→ストレッチ

6:太もも前側ストレッチ


太ももの前は普通のストレッチ。長時間のランニングでは必ず張ってきますが大きな問題を起こす部位でもないのでストレッチのみ。

7:中臀筋テニスボールマッサージ


動画ではお尻の下にテニスボールを置いています。

中臀筋はランニング時のみならず立っていても基本使う部位。ここもランナーだけではなく万人がほぐすべき部位。腰痛持ちの方なら尚更。硬くなると骨盤の動きを制限しますから。

8:脊柱ボールストレッチ


これは背中の下にテニスボールを2個繋げたものを置いています。

長時間走ると肋間筋や横隔膜など呼吸に関わる筋肉も硬くなる。その結果猫背気味になるので脊柱を伸展させるケアは重要。酸素がたくさん入ってくる状態を作った方が回復が早いですよね。つまりはそういうこと。

③ランニング中の栄養補給

フルマラソンの大会のようにその時だけ走り切ればOK、であれば走りながら栄養補給することはしないんですが15日間走らないといけないので消耗していく最中から栄養を摂ることがダメージを減らすポイント。

・必須アミノ酸(EAA)パウダー

500mlの水とEAAパウダーを混ぜたものを走る時に都度飲むようにしました。

EAAの摂取は血糖値の回復・安定に関わるよう。その実験も兼ねて行いましたがこれが良い。とても良い。

元々スポーツジェルなど過剰な糖質を一気に摂取すると調子が悪くなる(血糖値スパイクが起きているであろう)のであくまで血糖値の安定を目的として飲みました。


・サプリメント

これもエネルギー(アデノシン三リン酸:ATP)を代謝するのに必要なので休憩の度、摂取しました。主にビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム。感覚的なところですがランニング中にさサプリメントを摂取した方が翌日のダメージが少ないと感じました。いかに消耗を抑えるかがポイント。ものによっては運動時に向かない栄養素もあるようですが。まだまだ勉強中です。


・コンビニでタンパク質

途中コンビニはよく使いました。ここでも糖質と脂質メインのものよりもタンパク質の含有量の多いものを選びました。だからと言ってサラダチキン(タンパク質のみ)だと中々調子が上がらなかったので最終的にはタンパク質量がやや多い糖質制限パン、に落ち着きました。これとアイスコーヒー(少量のカフェイン目的)が補給兼朝ごはん気分で気持ちを上げてくれました。気分も大切。例え添加物だらけだったとしても。


ローソンの糖質制限シリーズによくお世話になりました。

やらなかったこと


やったこと以上に「何をやらなかったか」の方が意外と重要。時間には限りがあるのでやらないことはとにかくやらず時間を捻出するように意識しました。完璧ではありませんでしたがそこそこできたかな、とは思います。


①SNSを見る時間

タイムラインを見ている時間があれば睡眠をとる方が良い。

②アルコール

どう考えてもアルコールがリカバリーを遅くする。気分とかどうでも良いので早く回復させたかったのでなるべく飲まないようにしました。(後半なんだかんだ飲んでましたが)

③無駄な外出

意味もなく外に出ることは極力減らし、走る・仕事・家事・家族との時間、に焦点を絞りました。それでも結構時間が足りなかったんですが。


④過食(特に糖質)

食べ過ぎると消化吸収にエネルギーを取られるので必要量の栄養を必要なだけ摂る。これで十分。糖質の過剰摂取は炎症を助長するので少なめ。


やらなかったことはそのまま「人生の中でもやらなくていいこと」と言い換えても良さそうです。これは学びになりました。


これらを意識して身体のコンディションを管理しながら走り続けました。

途中雑になった期間もありましたが、ちゃんと管理したほうが明らかに調子が良い。

疲労が溜まった時こそ、その差を実感できます。


しっかりとカラダを整えましょう。


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